拒絶反応

本セクションでは、急性細胞性拒絶反応の診断に際して重要な所見を解説する。抗体関連拒絶反応に関しても一部解説するが、低倍率・高倍率それぞれにおいて観察すべき主要所見等、抗体関連拒絶反応の詳細に関しては、別のチュートリアルで解説する予定である。

リンパ球浸潤

 

リンパ球浸潤は、急性細胞性拒絶反応を示唆する重要な組織学的所見である。 低倍率で細胞密度の増加が認められた場合、続いて心筋細胞傷害の有無を高倍率 で評価する。活性化リンパ球は、心筋細胞障害に際してみられるが、通常のリンパ球と比較して細胞質が豊かであり、核は腫大している場合が多い。

Low cellularity High cellularity Thrombus and fibrosis
 
 

心筋細胞障害

 

心筋細胞傷害は、低グレートと高グレード(Grade 2R, 3R) の拒絶反応を識別する上で重要な所見である。その評価には高倍率での観察が最も適しており、好酸球の増加、核の濃縮、心筋細胞融解、凝固壊死、空胞変性、核周囲明庭、心筋細胞へのリンパ球浸潤等、様々な所見が観察される。高度のリンパ球浸潤が、心筋細胞の脱落した部位(本来心筋細胞が存在する部位に空隙が生じる)に生じている場合や、心筋細胞が変性して生じた“心筋の断片”が認められた場合にも、心筋細胞障害と評価される。

Low cellularity High cellularity Thrombus and fibrosis
 
 

抗体関連拒絶反応

 

抗体関連拒絶反応(Antibody mediated rejection:AMR、またはhumoral rejection)はACRとは別の拒絶反応である。ただし重度のAMRの場合、組織学的所見が急性細胞性拒絶反応と重複する場合もある。光学顕微鏡では、毛細血管内皮細胞の腫大、血管内のマクロファージの集族、間質の浮腫が認められるが、一般的には補体C4dの染色もAMRの検索に併用される。AMRに焦点を絞った別のチュートリアルは、間もなく閲覧可能となる予定である。

  • Forward to 拒絶反応以外の所見について.
  • Backward to 高倍率での観察.
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